エーザイ、高齢者見守りサービス展開のエコナビスタをTOBで子会社化

エーザイ(4523)は、睡眠解析技術を活用した高齢者見守りサービスを展開するエコナビスタ(5585)をTOB(株式公開買付け)により子会社化する。エーザイは認知症関連の課題解決を重点事業の一つと位置付けており、MCI(軽度認知障害)や認知症の予防・早期発見を支援する取り組みの一環として、エコナビスタを傘下に迎える。
エコナビスタは、睡眠解析技術を基盤とした高齢者見守りサービス「ライフリズムナビ」を主力事業として展開しており、エーザイは同社を取り込むことで認知症領域におけるエコシステムの構築を目指す。買付価格は1株あたり2,190円で、TOB公表前日の終値1,664円に対し31.61%のプレミアムを加えた価格となる。買付予定数は730万4,743株で、下限は所有割合66.67%にあたる486万9,800株。買付代金は約159億円にのぼる。
エコナビスタの創業者で現会長の梶本修身氏が経営する資産管理会社ココアアセット(大阪市)は、筆頭株主として28.11%の株式を保有しており、第2位株主のヒューリック、第3位株主の東京ガスを含めた合計45.84%の株式がTOBに応募する予定である。
買付期間は3月17日から5月7日までの34営業日で、決済開始日は5月14日。公開買付代理人は野村証券が務める。エコナビスタはTOBに賛同し、株主に対して応募を推奨することを決定。TOBが成立すれば、エコナビスタは東証グロース市場から上場廃止となる。
エコナビスタは2009年に設立され、当初は住宅内の家電や照明を一括で遠隔操作できるホームコントロール事業を展開。2014年に睡眠解析技術を活用した「ライフリズムナビ」を開始し、主力事業として成長させた。2023年には東証グロース市場に上場している。