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メドピア、MBOで株式を非公開化

医師向け情報プラットフォーム「MedPeer」を運営するメドピア株式会社は、医師プラットフォーム市場の急速な変化に対応するため、株式を非公開化し、中長期的な企業価値の向上を目指す経営体制の構築に乗り出す。

非公開化は、創業者で取締役会長の石見陽氏が設立したNMT合同会社(東京都千代田区)によるMBO(経営陣による買収)を通じて実施され、NMTはTOB(株式公開買い付け)を通じてメドピア株式の取得を進める。

TOBの概要は以下の通り:

  • 買付価格:1株あたり700円
  • 買付予定数:1895万4524株(所有割合 82.11%)
  • 買付下限:1126万2835株(所有割合 48.81%)
  • 買付代金:最大132億6800万円
  • 買付期間:2025年5月15日~6月25日(30営業日)
  • 決済開始日:2025年7月2日
  • 公開買付代理人:SBI証券

石見氏は現時点でメドピア株式の23.04%を保有しており、このうち10.60%はTOBに応募、残りの12.44%は応募対象外とする。また、創業家の資産管理会社が保有する5.42%の株式はTOBに参加せず、9月下旬に予定されているメドピアによる自己株式取得を通じて売却する方針。TOBと自己株取得を含めた総額は約140億1000万円に達する見込み。

メドピアは2004年の創業以来、医師会員制ソーシャルメディア「MedPeer」の運営を軸に、医師16万人超を対象とした医薬マーケティング支援や医療情報提供サービスを展開。2014年に東証マザーズに上場後、2020年に東証1部(現・プライム市場)へ市場変更した。

同社は新型コロナウイルス流行下においてデジタル領域の追い風を受けたが、その後の需要動向の変化や“リアル回帰”の影響により、営業力やコンテンツ開発体制の強化が急務となっていた。今回の非公開化を通じて、短期的な株主利益に左右されにくい経営体制のもと、次世代に向けた持続的な事業成長を目指す。