NTT、ドコモを通じて住信SBIネット銀行をTOBで子会社化

NTTは、住信SBIネット銀行を子会社化し、金融領域における革新的なサービスの提供を目指します。株式公開買付け(TOB)が成立した場合、同銀行は東京証券取引所スタンダード市場への上場を廃止する予定です。住信SBIネット銀行は本TOBに賛同の意向を表明し、株主に対して応募を推奨しています。
TOBは、NTTの子会社であるNTTドコモ(東京都千代田区)が実施します。買付価格は1株あたり4900円で、これはTOB公表前営業日の終値(3985円)に対し、約22.96%のプレミアムとなります。買付予定株数は4767万4496株で、上限・下限は設定されていません。買付期間は2025年5月30日から7月10日までの30営業日で、公開買付代理人は大和証券が務めます。
TOBを通じて、ドコモは少数株主が保有する31.62%の株式を取得し、その後、SBIホールディングスが保有する自己株式34.19%を譲り受ける計画です。さらに、無議決権株式の分割等を経て、最終的にはドコモと三井住友信託銀行(東京都千代田区)の持株比率を65.81%対34.19%に調整する見込みです。議決権比率は50%ずつとなりますが、実質支配力基準に基づき、住信SBIネット銀行はドコモの子会社となります。
買付代金は総額で約2336億円にのぼり、決済開始日は2025年7月17日を予定しています。
あわせて、NTTはSBIホールディングスに約1100億円を出資し、同日より業務提携も開始します。これにより、資産運用や保険分野における新たなサービスの提供や、金融関連システムの共同開発などを進めていく方針です。