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米カーライル、トライトをTOBで非公開化

米投資ファンドのカーライル・グループは、特別目的会社(SPC)であるTCG2505を通じて、医療・福祉分野で人材サービスを展開するトライトを完全子会社化する方針を明らかにした。買収により、同分野での成長を加速させるとともに、将来的なM&Aや再上場を含むEXIT戦略の実行を見据える。

トライトは、カーライルが提案する企業価値向上策が、これまで同社が自ら取り組んできた施策と方向性が一致しているとし、同ファンドの業界知見やネットワーク、DX・IT投資支援の活用が見込めることから、TOB(株式公開買付け)を受け入れた。

トライト株式の60%を保有する親会社の**LIFE SCIENCE & DIGITAL HEALTH CO. LIMITED(LSDH)**は、TOBには応募せず、カーライルに対し1株あたり870円での相対取引により持ち分を譲渡する。

TOBは2025年6月11日から7月23日までの30営業日間実施され、買付価格は1株880円。公表前営業日の終値568円に対して約54.93%のプレミアムが付けられている。買付予定数は4,000万株、買付下限は6.67%に相当する666万6,700株で、応募が下限に満たない場合は買付けを実施しない。

TOBによる買付代金は352億円。LSDHからの相対取引分を含めた総買付額は874億円に達する見通し。決済の開始日は7月30日で、公開買付代理人は野村證券が務める。

TOBが成立した場合、トライトは東証グロース市場から上場廃止となる見込み。トライトはすでにTOBに賛同の意を表明しており、株主に対して応募を推奨している。