精密減速機や自動ドアなどを手がけるナブテスコは、事業環境の悪化を受けて、油圧機器事業をイタリアのComer Industries S.p.A.（本社：エミリア＝ロマーニャ州）に譲渡する。中国メーカーの台頭や建設機械メーカーによる内製化の進展が背景にある。

同事業は、簡易会社分割により新設するコムテスコ（岐阜県垂井町）に承継させたうえで、同社株式の70％をComer Industriesに譲渡する。対象事業の売上高は2024年12月期で約446億円。譲渡価額は約142億円で、譲渡完了は2025年10月を予定している。

あわせて、中国子会社のShanghai Nabtesco Hydraulic Co.,Ltd.、タイ子会社のNabtesco Power Control（Thailand）Co.,Ltd.の保有持分、ならびにドイツ子会社のNabtesco Power Control Europe GmbHの全株式もComer Industriesに譲渡する。

Comer Industriesは農業機械や建設機械の駆動系部品に強みを持つグローバル企業で、今回の買収により油圧機器分野の事業基盤を強化する狙いがあるとみられる。