映像・映画制作大手のIMAGICA GROUPは、動画配信市場など外部環境の大きな変化を受け、迅速かつ柔軟な意思決定を通じた持続的な成長を目指すため、株式の非公開化を決断した。これに伴い、代表取締役社長の長瀬俊二郎氏が設立した三日月（東京都品川区）がMBO（経営陣による買収）を目的にTOB（株式公開買い付け）を実施する。非公開化後も長瀬俊二郎社長および長瀬文男会長は経営を継続する。

買付価格は1株あたり795円で、TOB公表前営業日の終値559円に42.22%のプレミアムを上乗せ。買付予定数は1960万6751株、買付下限は所有割合10.93％に相当する484万1400株。最大買付代金は約155億8700万円。買付期間は2025年5月12日から6月20日までの30営業日、決済開始日は6月27日。公開買付代理人は大和証券。

IMAGICAはこのTOBに賛同し、株主に対して応募を推奨している。TOBが成立すれば、同社の東証プライム市場での上場は廃止される見通し。なお、第1位株主であるクレアート（46.60%保有）とその親会社クレアートホールディングス（0.90%保有）はTOBに応募せず、非公開化後も株主として残留する。

IMAGICAは1935年に極東現像所として設立。以降、社名変更や上場市場の変更を経て、現在は映像制作にとどまらず、新たなビジネスモデル構築や非映像領域でのM&A展開を通じて、企業価値の向上を図っている。