インフロニア・ホールディングス、三井住友建設をTOBで子会社化

インフロニア・ホールディングスは、建設資材価格の高止まりや人手不足といった建設業界の厳しい環境変化に対応するため、同業の三井住友建設を子会社化することを決定した。この買収により、両社は経営資源の相互活用を進め、グループ全体でのDX(デジタルトランスフォーメーション)、技術開発、サステナビリティ戦略や人材育成の共同推進を図り、相乗効果を生み出すことを目指す。
三井住友建設は、国内大型建築工事での損失計上を受け、財務体質の改善と早期の業績回復が急務となっている。
公開買付(TOB)は、2025年7月上旬頃に開始予定で、買付価格は1株につき600円となる。これは、公表前営業日の終値544円に対して10.29%のプレミアムを加えた価格であり、買付予定数は1億5688万4782株、下限は所有割合66.67%にあたる1億458万9800株となる。買付代金の最大額は941億3000万円であり、公開買付代理人は大和証券。
三井住友建設はTOBに賛同し、株主に対して応募を推奨している。また、同社株式の約29%を保有する旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスとその共同保有者らも、TOBに応募することに合意している。TOBが成立すれば、三井住友建設は東証プライム市場への上場廃止となる。
インフロニアは、2021年10月に前田建設工業、前田道路、前田製作所の経営統合により誕生した企業であり、三井住友建設は2003年4月に三井建設と住友建設が合併して設立された。