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ホンダ傘下のユタカ技研、インドのマザーサンによるTOBを受け入れて株式を非公開化

ホンダ子会社で自動車部品メーカーのユタカ技研は、インド大手自動車部品メーカーSamvardhana Motherson International Limited(マザーサン)傘下のMotherson Global Investments B.V.(オランダ・アムステルダム)によるTOB(株式公開買付)を受け入れ、非公開化する。世界的なEVシフトなどで事業環境が急速に変化するなか、マザーサン・グループのグローバルな顧客ネットワークを活用した販路拡大や、非自動車分野への事業多角化を進める狙い。

マザーサン・グループは積極的にM&Aを展開しており、2022年に市光工業の自動車ミラー事業、2024年にはホンダの部品子会社である八千代工業を買収している。

今回のTOBでは、買付価格を1株3024円と設定。公表前営業日の終値(2843円)に対し6.37%のプレミアムを上乗せする。買付予定数は449万6051株で、総額約136億円。下限は設けず、2026年1月下旬に開始する予定。ユタカ技研はTOBに賛同し、株主に応募を推奨している。これに伴い、同社は東証スタンダード市場から上場廃止となる見込み。

現在ユタカ技研株の69.66%を保有するホンダはTOBに応募せず、終了後の2026年5月下旬~7月下旬にかけて、ユタカ技研が買付者の資金提供を受け自己株式を取得する。その結果、最終的な株主構成はマザーサン81%、ホンダ19%となる予定。

ユタカ技研は1976年にプレス技研工業として創業、1986年に現社名へ変更。1997年に店頭登録、2004年にジャスダック市場に上場し、2022年4月に東証スタンダード市場へ移行していた。