物流大手のセンコーグループホールディングスは、深刻化する労働力不足や燃料費の高騰を背景に、同業の丸運を子会社化する方針を示した。両社の営業基盤や物流ネットワークの相互活用により、リサイクル物流など成長分野での事業機会の創出・拡大、経営効率化の推進、設備投資の最適化など、多様なシナジーの発揮を見込んでいる。

丸運は本件TOB（株式公開買い付け）に賛同し、株主に応募を推奨している。TOB成立後、同社株式は東証スタンダード市場から上場廃止となる予定だ。

今回のTOBにおける買付代金は約167億円。買付価格は1株あたり949円で、発表前営業日の終値681円に対し39.35％のプレミアムを乗せた水準となる。買付予定株数は1761万3808株で、下限は所有割合50.10％に相当する320万400株。買付期間は未定だが、2026年1月下旬に開始し、20営業日を想定している。公開買付代理人には大和証券が起用される見通し。

なお、丸運株式の38.23％を保有するJX金属はTOBに応募しない方針。TOB成立後、丸運はJX金属に対して自己株式を取得し、最終的にはセンコーグループホールディングスが80％、JX金属が20％を保有する体制とする。自己株式取得を含めた総取得価額は約203億円。

丸運は1892年に天龍運輸会社として創業。1960年に現社名へ変更し、1961年に東証2部へ上場。その後、1990年に東証1部へ市場変更し、2022年4月からは東証スタンダード市場に上場していた。