メディカル・データ・ビジョン、日本生命によるTOBを受け入れて株式を非公開化

医療機関向けに診療データ分析ツールやデータベースを提供するメディカル・データ・ビジョンは、日本生命保険(大阪市)が実施するTOB(株式公開買い付け)に賛同し、同社の傘下に入る。
制度改革や異業種参入により国内生保業界の事業環境が厳しさを増す中、日本生命はヘルスデータ分析を新たな事業基盤と位置付け、ヘルスケア領域と保険事業の双方の高度化を図る。AI(人工知能)やデジタル技術と組み合わせることで、予防医療や健康支援サービスなど新たな顧客価値の創出にも取り組む方針だ。
メディカル・データ・ビジョンは、日本生命が有する医療機関ネットワークを活用したクロスセルの推進やサービス高度化、新規商品・サービスの開発といった相乗効果を見込む。
買付価格は1株1693円で、公表前営業日の終値462円に対して266.45%のプレミアムを付けた。買付予定数は2386万164株、下限は所有割合30.43%に相当する1167万4800株とする。買付代金は約404億円。買付期間は2025年12月16日から2026年2月3日までの30営業日で、決済開始日は2026年2月9日。公開買付代理人はSMBC日興証券。
同社はTOBに賛同の意見を表明し、株主に応募を推奨している。TOB成立後、同社株式は東証プライム市場での上場を廃止する予定。
なお、同社株式の37.81%を保有するSBIホールディングスはTOBには応募しない。TOB成立後、日本生命はメディカル・データ・ビジョンに出資し、同社はその資金を原資としてSBIホールディングスが保有する自己株式を取得する。これにより、最終的にメディカル・データ・ビジョンは日本生命の完全子会社となる見通しで、取引総額は約576億円となる。
メディカル・データ・ビジョンは2003年に設立。2014年に東証マザーズ市場へ上場し、2016年に東証1部へ昇格、2022年4月に東証プライム市場へ移行している。











