ミネベアミツミ、芝浦電子をTOBで子会社化

電子部品の温度管理ニーズが高まる中、ミネベアミツミは、サーミスタ(温度センサー)技術に強みを持つ芝浦電子に対し、TOB(株式公開買い付け)を実施する。両社の技術を融合させ、高付加価値な製品開発や市場シェア拡大を目指す。
買付価格は1株あたり4,500円で、公表前営業日の終値(4,190円)に対して7.40%のプレミアムを設定。買付期間は2025年4月23日から5月27日までの22営業日で、公開買付代理人は大和証券が務める。TOB成立後は芝浦電子の東証スタンダード市場での上場は廃止される見通し。
買付予定株数は1,501万5,111株で、下限は753万9,900株(所有割合50.01%)。買付代金は約675億円。投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ(東京都港区)もこのTOBに協力し、完了後に芝浦電子株式の5%を取得する予定。
芝浦電子は、1953年設立の老舗センサーメーカーで、サーミスタを中心に温度・湿度・風速センサーなどを開発・製造。ミネベアミツミは精密部品をグローバルに展開する企業で、自社の販売網を活用することで、芝浦電子製品の市場拡大も視野に入れる。
なお、芝浦電子をめぐっては、台湾の電子部品大手YAGEOが2025年5月7日から1株4,300円で敵対的TOBを開始する計画を表明している。これに対し、芝浦電子は4月10日、YAGEOによるTOBに反対する旨を公表。ミネベアミツミの提案に賛同し、株主に対して本TOBへの応募を推奨している。