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DDグループ、国内投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループと組みMBOで株式を非公開化

飲食・ホテル事業を手がけるDDグループは、国内投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループ(東京都千代田区)と組み、MBO(経営陣による買収)を目的とした株式公開買付け(TOB)を実施する。人件費や食材費、光熱費の高騰に加え、人口減少や少子高齢化など、厳しさを増す事業環境のなか、不採算店舗の閉鎖やDX(デジタルトランスフォーメーション)化、海外事業への再挑戦など、中長期的な経営改革に取り組むため、短期的な業績変動や株価に左右されない非公開体制への移行を決断した。

TOBは2025年7月15日から8月27日までの30営業日にわたって実施され、買付価格は1株あたり1,700円。これはTOB公表前営業日(7月12日)の終値1,475円に対して15.25%のプレミアムを加えた水準となる。買付予定株数は1,662万8,186株、下限は保有割合59.69%にあたる1,081万3,295株。買付代理人はSMBC日興証券。買付代金は最大約283億円にのぼる。

DDグループはTOBに賛同しており、TOBが成立すれば同社株式は東京証券取引所プライム市場から上場廃止となる見込み。

なお、DDグループの第2位株主であり、代表取締役社長・松村厚久氏が全株式を保有する松村屋(所有割合8.21%)はTOBには応募しないが、TOB成立後のスクイーズアウト(少数株主の強制買取り)手続き終了後の2025年11月下旬に、保有株式をポラリス側に譲渡することで合意している。譲渡価格は約25億3,000万円。これにより買付総額は合計で約308億円となる。

松村社長はMBO後も引き続き経営に携わり、ポラリスに5%を再出資する予定。

DDグループは1996年、エイアンドワイビューティサプライとして設立。2001年に飲食店事業に参入し、翌年にダイヤモンドダイニングへと社名変更。2007年に大証ヘラクレス市場(現・東証グロース)に上場。東証2部を経て、2015年に東証1部に昇格(2022年4月に東証プライム市場に移行)。2023年に現社名に変更し、飲食・アミューズメント事業とホテル・不動産事業を中核に展開している。