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VTホールディングス、子会社のトラストをTOBで完全子会社化

自動車ディーラー大手のVTホールディングス株式会社は、連結子会社である株式会社トラスト(東証スタンダード上場)を株式公開買い付け(TOB)により完全子会社化すると発表した。中古車輸出やレンタカー事業で展開する両社間の連携を深めることで、在庫管理の最適化や情報共有の高度化、人材交流などを通じたグループシナジーの最大化を図る。

VTホールディングスは2003年にトラストを子会社化して以降、グループ企業として連携を図ってきたが、親子上場の状態が続く中で、経営の独立性維持と協業推進の両立に限界が生じていた。今回の完全子会社化により、利益相反構造を解消し、事業成長に向けた機動的な意思決定を可能とする。

TOBの概要は以下の通り:

  • 買付価格:1株あたり410円(公表前営業日の終値295円に対し38.98%のプレミアム)
  • 買付予定数:719万2500株(上限・下限の設定なし)
  • 買付代金:最大29億4900万円
  • 買付期間:2025年5月15日~7月11日(42営業日)
  • 決済開始日:2025年7月18日
  • 公開買付代理人:東海東京証券株式会社

トラストは本TOBに賛同し、株主に対して応募を推奨する方針を表明している。TOBが成立すれば、トラスト株式は東証スタンダード市場から上場廃止となる見込み。

株式会社トラストは1988年に中古車輸出販売事業を目的に創業。2004年に東証マザーズ市場に上場、2015年には東証2部に市場変更し、現在はスタンダード市場に上場している。中古車輸出を中心に、レンタカー、南アフリカでの海外ディーラー事業などを展開しており、2025年5月時点でVTホールディングスが株式の72.2%を保有している。