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清水建設、子会社の日本道路をTOBで完全子会社化

清水建設株式会社は、連結子会社である日本道路株式会社(東証プライム上場)を株式公開買い付け(TOB)により完全子会社化すると発表した。道路舗装を中心としたインフラ関連事業を展開する日本道路との協業を一層推進し、グループの総合力を生かした事業拡大を図る。

今回の完全子会社化により、インフラ更新工事における大型案件の共同受注、民間顧客向け営業におけるノウハウ共有、海外事業での営業・調達ネットワークの活用といった相乗効果を見込む。また、親子上場の解消により、上場維持に伴うコスト削減や経営資源の最適配分も進める。

TOBの概要は以下の通り:

  • 買付価格:1株あたり2520円(公表前営業日の終値2169円に対し16.18%のプレミアム)
  • 買付予定数:2192万4514株(所有割合16.56%にあたる727万7000株を下限とする)
  • 買付代金:最大552億4900万円
  • 買付期間:2025年5月15日~6月25日(30営業日)
  • 決済開始日:2025年7月2日
  • 公開買付代理人:野村証券株式会社

日本道路はTOBに賛同を表明し、株主に対して応募を推奨する方針。買付けが成立した場合、同社は東証プライム市場からの上場廃止となる見込み。

日本道路は1929年に「日本ビチュマルス鋪装工業」として創業し、1947年に現社名へ変更。全国に10支店、103カ所の営業所・出張所、85カ所の合材センターや混合所、乳剤工場を展開し、日本全国の道路インフラ整備において中核的な役割を担っている。1961年に東証2部に上場し、1971年に東証1部へ市場変更(2022年4月よりプライム市場へ移行)。清水建設は2022年に日本道路を連結子会社化している。