フジ・コーポレーション、宇佐美鉱油によるTOBを受け入れて株式を非公開化

タイヤ・ホイール販売大手のフジ・コーポレーションは、石油販売大手の宇佐美鉱油(愛知県津島市)による株式公開買い付け(TOB)を受け入れ、株式を非公開化する。宇佐美鉱油の全国規模の店舗網を活用した販売機会の拡大や、両社の自動車関連サービスのワンストップ提供を通じたシナジー創出を狙う。あわせて、上場維持に伴うコスト削減も見込む。
宇佐美鉱油は、低燃費化やEV(電気自動車)普及による燃料油需要の減少を受け、車検・修理・カー用品販売などを含むカーライフ事業の強化を推進中。フジ・コーポレーションの買収を通じ、新たな成長ドライバーの確保を図る。
TOBの買付価格は1株あたり2830円で、公開買付公表前営業日の終値(2213円)に対して約27.88%のプレミアムを付けた。買付代金は約514億円。買付予定株数は1814万7599株(新株予約権含む)で、最低成立条件は過半数の取得(907万5600株)。買付期間は2025年6月9日〜7月22日(31営業日)で、決済の開始は7月29日を予定。大和証券が公開買付代理人を務める。
フジ・コーポレーションはTOBに賛同を表明し、株主に対して応募を推奨。筆頭株主の遠藤文樹会長と佐々木正男副会長は、保有する48.57%の株式を応募することに合意済み。TOBが成立すれば、同社は東京証券取引所プライム市場から上場廃止となる見通しだ。