NFKホールディングス、半導体・電子部品開発製造のキャストリコをTOBで子会社化

工業炉燃焼装置を主力とするNFKホールディングスは、事業ポートフォリオの多角化を目的に、持分法適用会社であるキャストリコ(Castlico)を株式公開買付(TOB)を通じて子会社化する。キャストリコは半導体および電子部品の開発・製造を手がけており、NFKは今後の成長が見込まれる半導体分野への事業展開を加速させ、経営基盤の強化を図る。
■ 上場方針を転換、連結体制での企業価値向上を狙う
キャストリコは、これまで東証グロース市場への新規上場を目指していたが、上場基準を満たせないことなどを理由に申請を見送る方針を固めた。筆頭株主であるNFKは、連結子会社化による経営・資金面での積極的な支援が、キャストリコの企業価値向上に資すると判断。今後はグループ一体での成長を目指す。一方で、キャストリコが現在上場しているTOKYO PRO Marketへの上場は維持される見通しだ。
■ 現金対価なしの株式交換型TOBを実施、NFK株を交付
今回のTOBは、キャストリコ株式1株に対しNFK株式9.34株(評価額91円相当)を割り当てる株式交換方式で実施され、買付予定数は50万2500株(発行済株式の21.90%相当)、下限は45万7200株(同20.74%)と設定されている。NFKの既存保有分29.26%と合わせ、最終的な保有比率は50.01%となる予定。買付に要する総額は約4億2700万円相当。
買付期間は2025年6月23日~8月4日(30営業日)で、決済開始日は8月20日。公開買付代理人はフィリップ証券が務める。なお、キャストリコはTOBに対して賛同の意を示しているが、応募の是非は株主の判断に委ねるとしている。