オリックス株式会社は、ITインフラ事業の拡大を目的として、デスクトップ仮想化を手がけるアセンテック株式会社の株式公開買付け（TOB）を実施し、子会社化する方針を発表しました。

オリックスは近年、グループ会社のエイチ・シー・ネットワークス（HCNET、東京都台東区）を起点にITインフラ事業を強化しており、今回のアセンテックの子会社化により、HCNETがカバーしていないPC等のクライアント領域の強化を図ります。これにより、両社の顧客基盤や営業力を活かしたシステムインテグレーション（SI）構築事業の拡大、ならびに保守部門の業務拡充と収益性の改善など、幅広いシナジーの創出が期待されます。

アセンテックは2009年に設立。デスクトップ仮想化に関連するソフトウェアやインフラ機器、端末の輸入・販売・開発を行うほか、仮想デスクトップ導入におけるコンサルティング、保守、運用サービスを展開しています。

TOBはオリックス傘下の買収目的会社OPI・18（東京都港区）が実施。買付価格は1株あたり1,680円で、TOB公表前営業日の終値（1,409円）に対し19.2％のプレミアムを上乗せしています。買付代金は約240億円を見込み、買付予定株数は1,431万8,978株、下限は保有比率66.67％に相当する954万6,000株とされています。

買付期間は2025年6月17日から8月4日までの34営業日。決済開始日は8月12日を予定しており、公開買付代理人はSMBC日興証券が務めます。なお、アセンテックは本TOBに賛同しており、株主に対し応募を推奨しています。

TOBが成立した場合、所定の手続きを経てアセンテックは東京証券取引所スタンダード市場から上場廃止となる見込みです。