日本コンセプト、国内投資ファンドのJーSTARと組みMBOで株式を非公開化

日本コンセプトは、国内投資ファンドのJ-STAR(東京都千代田区)と連携し、MBO(経営陣による買収)を通じて株式を非公開化する方針を発表した。主力の液体タンクコンテナによる貨物輸送事業は、国内外での需要拡大が見込まれる一方、短期的な市況変動リスクにも直面しており、非公開化によって中長期的な視点での事業構造改革や戦略的投資を柔軟に進める狙いがある。
J-STAR系列の買収目的会社がTOB(株式公開買い付け)を実施する。買付価格は1株あたり3060円で、TOB公表前営業日の終値(2217円)に対して38.02%のプレミアムを上乗せしている。買付予定株数は984万5975株で、下限は522万3400株(発行済株式の37.67%)に設定。買付期間は7月1日から8月13日までの30営業日間。
松元孝義社長は、自身が保有する株式(21.17%)をTOBに応募した後、買収目的会社に対し49.9%の出資を行う予定。筆頭株主である商船三井(保有比率29%)は、日本コンセプトによる自社株買いに応じ、保有株を1株あたり2572円で売却する。買収総額は約404億円で、そのうちTOBによる取得分が301億円を占める。
TOBの決済開始日は8月20日。公開買付代理人は東海東京証券、復代理人はマネックス証券が務める。
日本コンセプトは、TOBに賛同し、株主に対して応募を推奨するとしている。買付けが成立した場合、同社は東証プライム市場から上場廃止となる見通し。
同社は1994年に液体貨物輸送を目的に設立され、2012年にジャスダックに上場。その後、東証2部を経て、2017年に東証1部、2022年4月には東証プライム市場に移行していた。