PKSHA Technology、人材関連サービスのサーキュレーションをTOBで子会社化

AIソリューションを展開するPKSHA Technology(ピークシャテクノロジー)は、人材関連サービスを手がけるサーキュレーションに対して株式公開買付(TOB)を実施し、子会社化を目指す。両社の強みを掛け合わせ、AIを活用した企業・人材間のマッチング精度向上や、人材コンサルティングとAIエージェントを組み合わせた統合的なソリューションの提供を強化する狙いだ。
サーキュレーションは2014年創業で、特定領域に精通したプロフェッショナル人材の経験や知見を活用し、企業の経営課題を解決するサービスを展開。PKSHAは2024年6月に同社株式の7.39%を取得し、AIによるデータ分析や業務自動化の技術を提供してきた。今回の経営統合により、より高度な情報共有と経営資源の一体運用を実現し、両社の協業体制を一層強化する。
TOBの買付価格は1株当たり901円で、公開前営業日終値(670円)に対して約34.5%のプレミアムを付与。買付予定数は765万7360株で、下限は発行済株式の56.59%に相当する482万4200株。最大買付総額は約69億円に上る。
買付期間は2025年7月7日から8月19日までの30営業日で、決済開始日は8月26日。公開買付代理人はSMBC日興証券が務める。サーキュレーションは本TOBに賛同し、株主に対して応募を推奨する方針を示した。
また、筆頭株主のシンプレクス・ホールディングス(保有比率24.63%)および第2位株主のクラウドワークス(同23.65%)は、いずれもTOBへの応募に合意している。
PKSHAは、AIを中核としたソリューションの社会実装を加速しており、今回のM&Aにより人材領域への展開を本格化させる。今後は、戦略的提携を超えた一体的な組織運営を通じて、変革が求められる企業経営の現場において、AIと人的知見の融合による新たな価値創出を目指す。