フロイント産業、MBOで株式を非公開化

医薬品製造機械大手のフロイント産業は、経営の中長期的安定化を目的に、MBO(経営陣による買収)を通じた株式の非公開化を決定した。人口減少による労働力不足の深刻化を受け、高品質な製造体制の維持に向けて、自動化・省人化への研究開発投資が不可欠と判断。また、海外市場の継続的な開拓やデジタル技術の活用による製品力強化など、成長に向けた課題にも柔軟に対応できる体制構築を図る。
買収は、代表取締役社長・伏島巖氏が設立した株式会社友(東京都新宿区)を通じて実施する。伏島氏は今後も引き続き経営を担う方針。フロイント産業の取締役会は、本件TOB(株式公開買い付け)に賛同している。
買付価格は1株あたり1,085円で、TOB公表前営業日(2025年7月12日)の終値(761円)に対して約42.6%のプレミアムを加えた。買付予定数は最大1,307万4,200株(発行済株式のすべて)で、下限は44.30%にあたる749万9,301株。買付代金は最大で約141億8,500万円にのぼる。
買付期間は2025年7月15日から8月27日までの30営業日。決済開始日は9月3日。公開買付代理人は大和証券が務める。
フロイント産業は1964年、錠剤の表面に均一なコーティングを施す自動フィルムコーティング装置の開発を目的に創業。1996年に株式を店頭公開し、2004年にジャスダック上場。2022年4月に東証スタンダード市場に移行していた。