FCホールディングス、ティーキャピタルパートナーズによるTOBを受け入れて株式を非公開化

道路・鉄道など社会インフラ分野に強みを持つFCホールディングスは、国内投資ファンドのティーキャピタルパートナーズ(東京都千代田区)によるTOB(株式公開買い付け)を受け入れ、株式を非公開化する方針を発表しました。
同社は近年、以下のような経営課題に直面していました:
- 建設業界全体での人材不足
- 社会インフラ投資の先細りリスク
- 業界内の競争激化
こうした構造的課題に対応するため、FCホールディングスは非公開化によって柔軟な経営判断と長期的視点の投資を可能とし、ティーキャピタルの支援のもと、以下の取り組みを進めます:
- 技術者体制の強化による既存事業の深掘り
- 再生可能エネルギー分野(例:環境影響評価)への事業領域拡大
TOBの概要
- 買付価格: 1株1,420円
(TOB公表前営業日終値1,175円に対し20.85%のプレミアム) - 買付予定数: 672万6,630株
- 下限: 448万4,400株(発行済株式の66.67%)
- 買付代金: 約95億5,000万円
- 買付期間: 2025年8月7日~10月14日(45営業日)
- 決済開始日: 2025年10月21日
- 公開買付代理人: 野村証券
FCホールディングスはTOBに賛同し、株主に対して応募を推奨する方針です。
企業沿革と背景
FCホールディングスは、1949年に福山工務店として創業し、1963年に福山コンサルタントへと改組。2017年に持株会社体制へ移行し、現在は九州を拠点に全国で社会インフラの整備事業を展開しています。
- 2017年: 東証ジャスダックに上場
- 2022年: 東証スタンダード市場に移行
TOBを仕掛けるティーキャピタルパートナーズは、旧・東京海上キャピタルを前身とする独立系ファンドで、国内中堅企業を対象に32社以上へ投資実績があります。