杉田エースがMBO、株式非公開化へ

建材商社の杉田エース株式会社は、新設住宅着工戸数の減少や原材料価格の高騰を背景に、ERP(基幹業務システム)の刷新やAI(人工知能)活用など、中長期的な成長投資を進めるため、経営陣によるMBO(Management Buyout:経営陣による買収)を実施し、株式を非公開化すると発表した。

副社長の杉田力介氏が設立したUMK株式会社(東京都墨田区)がTOB(株式公開買い付け)を実施する。杉田エースは今回のTOBに賛同を表明し、株主に応募を推奨している。

買付価格は1株あたり1,710円で、公表前営業日の終値(1,218円)に対して40.39%のプレミアムを上乗せ。買付総額は約57億5,600万円。買付予定数は336万6,069株で、下限は168万3,035株(所有割合31.37%)。買付期間は2025年11月13日から12月25日までの30営業日で、決済開始日は2026年1月8日。公開買付代理人は東海東京証券、復代理人はマネックス証券が務める。

創業家およびその資産管理会社は、保有する約37%の株式をTOBには応募せず、最終的にはUMKと創業家・資産管理会社が株式を保有する体制となる。

杉田エースはERP導入や配送センターの新設、新規事業の本格展開などを進める方針で、短期的な業績や株価変動に左右されない経営基盤を構築する考えだ。

同社は1948年に「杉田金属」として設立し、1984年に現社名へ変更。2000年に株式を店頭登録し、2022年4月に東証スタンダード市場へ移行している。