太平洋セメント、上場子会社のパシフィックシステムをTOBで完全子会社化

太平洋セメントは、情報システム事業を手がける上場子会社のパシフィックシステムを、株式公開買い付け(TOB)によって完全子会社化する。グループのDX戦略を加速させるため、中核企業であるパシフィックシステムが短期的な利益に左右されず、中長期的な視点で投資を拡大できる体制を整える狙いだ。
現在、太平洋セメントはパシフィックシステム株式の65.7%を保有しており、残りをTOBで取得する。買付価格は1株あたり6850円で、TOB公表前日の終値(5170円)に32.5%のプレミアムを上乗せした。買付予定数は50万7524株、下限は1万4400株(所有割合0.97%)とし、総額は約34億7600万円となる。
買付期間は8月12日から9月24日までの30営業日で、決済開始日は9月30日。公開買付代理人はみずほ証券(復代理人は楽天証券)が務める。パシフィックシステムはTOBに賛同し、株主に応募を推奨しており、成立後は東証スタンダード市場への上場を廃止する予定だ。
パシフィックシステムは1980年、太平洋セメントの前身・秩父セメントの情報システム事業を担う「システム綜合開発」として発足。1999年に現社名となり、2007年にジャスダック上場、2022年4月に東証スタンダード市場へ移行した。