ヤスハラケミカル、MBOで株式を非公開化

ヤスハラケミカルは、植物由来の天然有機化合物「テルペン油」を原料とした化学製品を主力事業とする。石油系大手企業との競争激化や、テルペン油の調達環境が厳しさを増す中、同社はMBO(経営陣による買収)による株式の非公開化を通じ、中長期的な視点での事業改革を進める体制を構築する。

買付主体は、同社社長・安原禎二氏が代表を務めるYAHO(広島県府中市)で、1株あたり1380円でTOB(株式公開買い付け)を実施する。買付価格は、TOB公表前日の終値(1091円)に対し26.49%のプレミアムを上乗せした水準。買付予定数は590万850株、下限は所有割合31.68%に相当する287万5600株としている。なお、安原社長および関係企業が保有する株式のうち34.98%はTOBに応募せず、成立後にYAHOへ譲渡する予定。買付総額は約81億4300万円。

買付期間は2025年11月4日から12月16日までの30営業日で、決済開始日は12月23日。公開買付代理人は三菱UFJモルガン・スタンレー証券(復代理人:三菱UFJeスマート証券)が務める。

ヤスハラケミカルは本TOBに賛同し、株主に応募を推奨することを決定。買付が成立した場合、同社の東証スタンダード市場への上場は廃止される見通し。

同社は1959年、安原油脂工業として設立。植物精油に含まれるテルペン油を主原料とした化学製品や、食品用接着剤・ラミネートフィルムなどの機能性コンパウンド製品を製造している。1989年に現社名へ変更し、1995年に広島証券取引所へ上場。その後、大証2部を経て東証2部、2022年4月からは東証スタンダード市場に上場している。