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麻生グループのASNFホールディングス、耐火物メーカーのヨータイにTOB

セメントや医療関連事業を展開する麻生グループ(福岡県飯塚市)の子会社ASNFホールディングス(東京都千代田区)は、耐火物メーカーヨータイの筆頭株主となることを目的に株式公開買い付け(TOB)を実施する。ヨータイからの要請を受け、同社大株主らが保有する発行済株式の33.3%超を取得する。

ヨータイは、鉄鋼、非鉄金属、セメント、ガラスといった素材製造業で使用される耐火物の製造販売を行う企業。中長期的な成長を見据え、安定株主の存在を求めていた。麻生グループは、セメント事業との相乗効果や耐火物の安定供給体制の確保を重視し、パートナーシップに応じる判断を下した。

TOB価格は1株あたり1810円で、買付け公表前営業日の終値(1687円)に7.29%のプレミアムを加えた水準。買付予定株数の上限は653万1334株(所有割合35.44%)、下限は614万3192株(33.33%)で、最大買付代金は約118億2000万円となる。買付期間は2025年4月14日から5月14日までの20営業日、決済開始日は5月21日を予定している。SMBC日興証券が公開買付代理人を務める。

株主対応としては、第2位株主UGSアセットマネジメント、第3位キャピタルギャラリー、第4位キャピタル・マネジメント3社が合計22.37%を応募することで合意済み。筆頭株主の住友大阪セメントは、応募が下限に満たない場合に限り一部株式を応募する予定としている。

ヨータイは今回のTOBに賛同の意向を示しつつ、買付価格には意見留保としており、応募の判断は株主に委ねる姿勢を取っている。なお、東証プライム市場への上場は維持される。

ヨータイは1936年に大阪窯業耐火煉瓦として創業し、1987年に現社名へ変更。1949年に大阪証券取引所に上場し、現在は東証プライム市場に上場している(旧東証1部)。