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マンダム、MBOで株式を非公開化

男性用化粧品大手のマンダムは、2024年4月に始動した第14次中期経営計画のもと、日本・インドネシア両事業の収益改善やASEAN地域(インドネシア除く)での事業推進を進めてきました。しかし、日本市場の成長鈍化や東南アジア市場での競争激化を背景に、従来型のビジネスモデルだけでは競争優位を維持できないと判断。短期的な業績変動に左右されず、長期的な成長に注力できる体制を整えるため、非公開化を決断しました。

非公開化はMBO(経営陣による買収)の一環として、カロンホールディングス(東京都千代田区)がTOB(株式公開買い付け)を実施する形で行われます。同社は英国投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズが助言するカロンJグループホールディングスの完全子会社で、創業家一族である西村元延会長、西村健社長との協議に基づき手続きを進めます。

TOB成立後、マンダムは東証プライム市場から上場廃止となり、現経営陣は引き続き経営を担います。買付価格は1株あたり1,960円で、直前営業日の終値1,503円に対して30.41%のプレミアムを付与。買収総額は約793億円に上ります。買付予定株数は4,046万7,222株で、下限(2,528万5,200株、所有割合56.02%)に満たない場合は成立しません。買付期間は2025年9月下旬から30営業日を予定し、公開買付代理人は野村証券が務めます。

創業家の資産管理会社などが保有する約10.4%の株式はTOBに応募せず、終了後にカロンホールディングスがマンダムを吸収合併。その後、カロンJグループホールディングスと創業家の資産管理会社等との間で株式交換を行い、現経営陣もカロンJグループホールディングスへ再出資します。結果として、創業家一族の持株比率は34.0%となる見込みです。

マンダムは1927年に金鶴香水として設立。1971年に現社名へ変更し、2002年に東証二部へ上場、翌年に一部へ市場変更(2022年より東証プライム市場)。