日野自動車、自動車販売子会社5社を和泰汽車股份有限公司に譲渡

三菱ふそうとの経営統合を予定している日野自動車は、商用車市場の変化が加速する中、各地域における販売・サービス網の競争力を高めるため、販売子会社5社を台湾の販売会社に譲渡する。地域事情に精通したパートナーに経営を委ねることで、より機動的で競争力の高い販売体制の構築を目指す。

譲渡対象は、東北海道日野自動車(北海道帯広市)、北海道日野自動車(札幌市)、宮城日野自動車(仙台市)、福島日野自動車(福島県郡山市)、南関東日野自動車(東京都港区)の5社。

各社の2025年3月期業績は、東北海道日野自動車が売上高97億6000万円、営業利益5億800万円、純資産26億6000万円。北海道日野自動車が売上高341億円、営業利益18億5000万円、純資産75億6000万円。宮城日野自動車が売上高163億円、営業利益6億3000万円、純資産70億8000万円。福島日野自動車が売上高124億円、営業利益3億3900万円、純資産32億7000万円。南関東日野自動車は売上高1496億円、営業利益30億8000万円、純資産113億円としている。

譲渡先は、日野自動車製トラックやトヨタ車の販売を手がける和泰汽車股份有限公司(台北市)。譲渡価額は5社合計で約270億円、譲渡予定日は2026年4月1日。

現在、日野自動車は東北海道日野自動車の株式96.5%、北海道日野自動車、宮城日野自動車、福島日野自動車の3社については全株式を保有しているが、譲渡後はいずれも持ち株比率を19.9%以下に引き下げる。傘下の日野セールスサポート(東京都日野市)が保有する南関東日野自動車の株式についても、日野自動車の議決権比率が19.9%以下となるよう調整する。