Shinwa Wise Holdings、同社に対してニューホライズンキャピタルなどがTOB開始予定を発表

Shinwa Wise Holdingsは、絵画、版画、陶芸、彫刻などの美術品公開オークションを手掛ける国内最大手である。同社に対するTOB(株式公開買い付け)を実施するのは、ニューホライズンキャピタル(東京都港区)とCatalyst Art Investments(CAI、東京都港区)の国内投資ファンド2社であり、その目的は株主の共同利益の向上と日本のアート市場の発展とされている。
CAIは美術品を主な投資対象とするファンドで、現在Shinwa株式の14.10%を保有する筆頭株主である。ニューホライズンキャピタルとCAIは、TOBなどを通じて最大50.10%まで所有割合を高めることを目指している。しかし、TOBに関して事前協議の申し入れは行っておらず、同意なき買収提案となる。Shinwa取締役会が賛成または中立の意見を表明することを前提に、4月10日から1株400円で買い付けを開始する予定である。
Shinwaは28日、TOBに関する事前連絡を受けていないと発表し、開示文書などの関連情報を精査した上で見解を公表すると声明を出した。
Shinwa Wise Holdings株の買付価格400円は、TOB公表日の3月27日の終値386円に対し3.63%のプレミアムを加えた水準である(ただし、公表前日26日の終値400円に対してはプレミアムなし)。買付予定数の上限は所有割合31.51%に相当する338万2600株であり、下限は14.81%に設定されている。買付代金は最大13億5304万円となる。
CAIはShinwaの前社長である倉田陽一郎氏(2024年11月辞任)に対する貸付金の代物弁済として、今年6月末に同氏から4.49%の株式を追加取得する予定である。TOBによる取得分と合わせ、最大で議決権の過半数にあたる50.10%、最低でも33.40%の取得を目指す。TOB成立後もShinwaの東証スタンダード市場への上場は維持される見込みである。
Shinwaは経営多角化の一環として、医療機関の診断サポート、不動産売買・賃貸、バイオマス発電燃料販売など、本業の美術品オークション事業や画廊業との相乗効果が見込めない分野へ進出し、一部事業で多額の損失を計上した。不適切会計処理問題も重なり、経営の混乱が続いており、現在は再建途上にある。
CAIは昨年12月、質権実行に伴い10%超のShinwa株式を取得し、さらに同月中に代位弁済による追加取得で所有割合を14%超に引き上げ、筆頭株主となった。