空調・ヒートポンプ市場への本格参入も視野に

モーター大手のニデック株式会社は、中国・江蘇省のChangzhou Xecom Energy Technologies Co., Ltd.（以下、Xecom）をグループ傘下に取り込み、冷凍庫用コンプレッサー事業の拡大に乗り出した。買収は、ニデックが注力する家電・商業・産業用モーター分野の成長戦略の一環として実施されたもの。今後は、空調やヒートポンプ市場への新規参入も視野に入れる。

買収は2025年7月8日付で、中国子会社のNidec Appliance Controls (Qingdao) Co., Ltd.（山東省）を通じてXecomの全持ち分を取得。同日付で社名を**Nidec Scroll Technology (Changzhou) Co., Ltd.**に変更した。取得価額は非公表。

Xecomは2021年設立の比較的新しい企業ながら、高性能なスクロールコンプレッサーの設計・製造に強みを持つ。2024年12月期の売上高は約25億円。ニデックは同社の技術力を取り込むことで、成長分野である冷凍・空調関連の製品ポートフォリオを拡充し、グローバル市場での競争力を高める方針だ。

今回の買収により、ニデックは従来の家電・産業モーター事業に加えて、冷熱機器分野への展開を加速させる。カーボンニュートラルへの対応や高効率化ニーズが高まる中、エネルギー効率の高いスクロール技術を軸に、持続可能な製品開発にも注力していく構えだ。