フォーラムエンジニアリング、米投資ファンドKKRによるTOBを受け入れて株式を非公開化

製造業向けのエンジニア派遣を主力とするフォーラムエンジニアリングは、米投資ファンドKKRによる株式公開買い付け(TOB)を受け入れ、非公開化に踏み切る。エンジニア人材の安定的な確保、AIを活用したマッチング技術の強化、インド事業への投資加速といった経営課題に対応するため、KKRの資本力を取り込み成長基盤の再構築を図る。

買付主体は、KKR傘下ファンドが設立した買収目的会社KJ003(東京都千代田区)。買付価格は1株1710円で、TOB公表前営業日の終値1275円に対し74.56%のプレミアムを付けた。買付予定数は3350万9741株で、下限は所有割合29.32%に相当する1561万3500株。買付代金は約573億円となる。

買付期間は11月11日から12月23日までの30営業日で、決済開始日は12月30日。公開買付代理人はSMBC日興証券。フォーラムエンジニアリングはTOBに賛同し、株主に応募を推奨する。TOB成立後、同社の東証プライム市場への上場は廃止される予定。

一方、創業者の大久保泉氏とその資産管理会社が保有する14.62%の株式はTOBに応募せず、TOB成立後にフォーラムエンジニアリングが実施する自己株取得(1株1530円)へ応じる見通し。自己株取得の資金は、フォーラムエンジニアリングがKJ003に対して行う第三者割当増資で調達する。取引全体(TOB+自社株買い)の総額は約875億円となる。

フォーラムエンジニアリングは1981年に創業。AIを活用した人材マッチングサービスを展開し、機械・電機系企業向けのエンジニア派遣が直近売上高(2025年3月期)の98.8%を占める。2020年に東証1部へ上場し、現在は東証プライム市場に上場している。