名古屋・建設足場アスノバ、シンガポール社を20億円で買収

建設用足場のレンタルを手掛けるASNOVA(アスノバ)は、仮設トイレのレンタル事業を展開するシンガポールのQool Enviro社を、2025年4月1日付で買収する。約20億円を投じて全株式を取得し、完全子会社化する。今回の買収は、事業の多角化と成長市場でのシェア拡大を目的としたもので、同社は今後3年間で約60億円をM&A(合併・買収)に投じる計画だ。
東南アジア市場の開拓を加速
アスノバは、国内市場の縮小を見据え、成長が期待される東南アジア市場への進出を積極的に進めている。Qool Enviro社は、シンガポール国内の建設現場やイベント会場向けに仮設トイレをレンタルする企業で、安定した収益基盤を有している。今回の買収により、アスノバは建設関連サービスの幅を広げるとともに、シンガポールを足掛かりとして周辺国への展開を視野に入れている。
M&A戦略と今後の展望
アスノバは、国内の労働力不足や市場縮小に対応するため、事業の多角化と海外市場の開拓を推進している。特に、東南アジア地域はインフラ整備の需要が高く、仮設資材や設備のレンタル市場が拡大している。今回のQool Enviro社買収を皮切りに、今後も同地域でのM&Aを積極的に検討するとしている。
さらに、アスノバは持続可能な事業運営の観点から、環境負荷の低減を意識した製品・サービスの提供にも力を入れている。仮設トイレ事業においても、環境に配慮した設備導入や水資源の有効活用を推進する方針だ。
今回の買収により、アスノバは建設関連レンタル事業のさらなる成長を目指し、国内外でのプレゼンスを強化していく方針だ。