ツムラ、養命酒製造のTOBによる上場廃止を経て「薬用養命酒」事業を取得

漢方薬大手のツムラは、投資会社レノによる養命酒製造へのTOB(株式公開買い付け)を通じて「薬用養命酒」事業を取得し、ヘルスケア領域の強化と事業ポートフォリオの多柱化を進める。医療用漢方製剤を主力とするツムラは、一般用医薬品や健康食品などセルフメディケーション分野の拡大を目指していた。
養命酒製造はTOBに賛同する一方、応募の可否は株主の判断に委ねる方針。TOB成立後は株式併合などを経て2026年6月ごろに非公開化する。その後、同年7~8月にレノが保有株式を筆頭株主の湯沢へ譲渡。現預金や有価証券、不動産など簿価約394億円の非事業性資産を分離したうえで、湯沢の保有株(33.34%)を含む全株式をツムラが取得する。
レノはアクティビスト(物言う株主)として知られる村上世彰氏系の投資会社。湯沢は同氏の娘婿である野村幸弘氏が実質的に保有している。
ツムラによる事業取得価額は約68億円。一方、TOBの買付価格は1株4050円で、公表前営業日の終値4595円に対して11.86%のディスカウントとなる。買付総額は最大約375億9000万円。買付予定数に上限は設けず、下限は190万3900株(所有割合13.67%)。筆頭株主の湯沢は応募しない。買付期間は2026年2月25日から4月8日までで、決済開始日は4月15日を予定している。
ツムラは天然物由来の医療用漢方製剤で国内首位級のメーカー。養命酒製造のブランド力やヘルスケア商品、販売チャネルを取り込むことで、研究開発、販路拡大、商品開発面での相乗効果を見込む。養命酒製造にとっても、ツムラの研究開発力や営業基盤の活用による中長期的な企業価値向上が期待される。
養命酒製造は1923年設立。「薬用養命酒」を主力に、酒類・食品、ヘルスケア商品、不動産賃貸などを手がけている。











