伊藤忠商事は、連結子会社の伊藤忠食品をTOB(株式公開買い付け)により完全子会社化すると発表した。
インフレの長期化や人手不足による物流制約の深刻化、さらにはデジタル投資の重要性の高まりを踏まえ、伊藤忠食品単独では十分な構造改革を進めることが難しいと判断した。完全子会社化によって伊藤忠商事の経営資源やノウハウ、事業基盤を最大限活用し、物流の効率化やデジタル戦略の加速、低温事業の拡大、商品開発機能の強化を一体的に推進する。
伊藤忠食品は本TOBに賛同し、株主に対して応募を推奨する方針を決議。買収が成立すれば、同社は東証プライム市場から上場廃止となる見通しだ。なお、伊藤忠商事は現在、伊藤忠食品株式の52.46%を保有している。
公開買付けは、東京都港区に所在する特別目的会社FMDIが実施する。買付価格は1株あたり1万3000円で、公表前日の終値1万2080円に7.62%のプレミアムを上乗せした水準。買付予定数は603万793株で、下限は所有割合14.20%に相当する180万1900株に設定している。買付総額は約784億円。
買付期間は2026年2月26日から4月9日までの30営業日で、決済開始日は4月16日。公開買付代理人は野村証券が務める。
伊藤忠食品は1918年に松下商店として創業。1971年に鈴木洋酒店と合併して松下鈴木に商号変更し、1996年にメイカンとの合併を経て現社名となった。2001年に東証1部へ上場し、2022年4月に東証プライム市場へ移行している。












