豊田合成、持ち分法適用関連会社の芦森工業をTOBで子会社化

豊田合成は、トヨタ系の自動車部品メーカーで、内外装部品やエアバッグを主力製品とする。シートベルトやエアバッグを製造する芦森工業とは2021年に資本・業務提携を結び、2023年には株式を追加取得して所有割合を28.26%とし、持分法適用関連会社としていた。このたび株式公開買い付け(TOB)により残りの株式を取得し、完全子会社化する。
エアバッグやシートベルトなどの自動車安全部品を取り巻く市場は、電動化や自動運転の進展に伴い大きな転換期を迎えている。豊田合成は開発戦略を含め、一体的な連携体制を構築することで競争力の強化を図る。
芦森工業株の買付価格は1株あたり4140円で、TOB公表前日の終値(2839円)に45.83%のプレミアムを付与。買付予定数は432万4138株で、下限は所有割合38.29%にあたる230万8100株。買付代金は約179億円となる。
買付期間は8月12日から9月24日までの30営業日で、決済開始日は9月30日。公開買付代理人はみずほ証券が務める。芦森工業はTOBに賛同し、株主に応募を推奨する方針。TOB成立後は、同社の東証プライム市場および名証プライム市場への上場は廃止される見込みだ。
芦森工業は1878(明治11)年、創業者の芦森武兵衛が動力伝達用の綿網(ロープ)製造に着手したことから始まる。戦後は消防ホース製造を経て、製織技術を応用し自動車用シートベルトやエアバッグ事業へと進出した。